2014年08月06日

遺言預かります

さて、ひとこと。

ミステリーの中でこんな場面をみかけませんか。

大金持ちのおじいさんが亡くなります。
葬儀が終わり、遺族が座敷に集まります。
そこに、おじいさんから頼まれたという弁護士が、一通の封書を手に登場します。
弁護士は、「故人より遺言を預かっております」と伝え、封書にハサミを入れ始めます。
中から書類を取り出し、読み上げる弁護士・・・。
息をのむ遺族・・・。

では実際に、弁護士が遺言を預かったりするのでしょうか?

遺言とは、死んだ後の財産の分け方などを記すものです。内容が内容だけに、相続人をする人(推定相続人といいます)に、自分が死ぬまで遺言のことを知られたくない方もおられます。

そんなとき、遺言作成を手伝ってもらった弁護士に預けることも一つの手段です。

私たち弁護士は依頼者に守秘義務を負っています。
そのため、遺言者の推定相続人から、「お父さんの遺言の内容を教えてください!」という問い合わせがあっても、遺言の内容はおろか、遺言者が遺言を作成していること、それを弁護士が預かっていることすら教えません。

また、弁護士に遺言を預けておくと、後々、「やっぱり、内容を変えたい!」と思われた際、スムーズに更新作業に入れます。

弁護士以外の手段として、公証人役場で遺言を作成すると、以後の偽造防止のため、原本が役場で保管されます。

遺言の書き方や形式が話題になりがちですが、実は作成後の保管も大事なのです。

冒頭のミステリーに話を戻します。
遺言読み上げの後、たいてい遺族間でケンカが発生します。
そして、保管していた弁護士まで事件に巻き込まれてしまいます。
作り話とはいえ、哀れな役回りです。
posted by しんたろう at 00:00| 日記