2014年08月14日

ミナミの帝王と未成年

さて、ひとこと。

昼食時に見た!シリーズを。

昼食をとっていた喫茶店に、「ミナミの帝王」というマンガが置いてありました。
※ミナミの帝王がどんなマンガなのかは省略します。

その中にこんな話がありました。

未成年のAは、消費者金融から借金を重ね、豪遊します。そしていざ返済日になると、「俺は未成年や。金を借りた契約は取り消す!」と宣言し、借金を踏み倒します。
しかし、ミナミの帝王(金貸し屋)は、「おまえは金を借りるとき、成人していると嘘をついたやろ。取り消せへんぞ!」と反論します。

民法の勉強になる点が3つ。

1つめ
未成年者は法定代理人(親など)の同意なく行った法律行為を取り消すことができます。つまり、Aは親の同意を得ていない限り、借金の契約を取り消せます。

2つめ
契約を取り消すと、契約の効果はじめから無かったことになります。そして、借りたお金を元通りに返さなければなりません。ただし、未成年取消しの場合、「現存利益」といって残っているお金だけ返せば済みます。Aは豪遊し、すっからかんになっていました。現存利益がなく、お金を返す必要がありません。

3つめ
以上のような場合でも、未成年者が、自分を成人であるかのように信じさせて法律行為をした場合(「詐術・さじゅつ」を用いたといいます)、取消すことはできません。

こうして、借金をして踏み倒してやる!というAの目論見ははずれてしまいます。

最近、実社会では、スマホや携帯ゲーム機でのゲーム内課金がにおいて、未成年者による詐術が問題になっています。

posted by しんたろう at 00:00| 日記

2014年08月06日

遺言預かります

さて、ひとこと。

ミステリーの中でこんな場面をみかけませんか。

大金持ちのおじいさんが亡くなります。
葬儀が終わり、遺族が座敷に集まります。
そこに、おじいさんから頼まれたという弁護士が、一通の封書を手に登場します。
弁護士は、「故人より遺言を預かっております」と伝え、封書にハサミを入れ始めます。
中から書類を取り出し、読み上げる弁護士・・・。
息をのむ遺族・・・。

では実際に、弁護士が遺言を預かったりするのでしょうか?

遺言とは、死んだ後の財産の分け方などを記すものです。内容が内容だけに、相続人をする人(推定相続人といいます)に、自分が死ぬまで遺言のことを知られたくない方もおられます。

そんなとき、遺言作成を手伝ってもらった弁護士に預けることも一つの手段です。

私たち弁護士は依頼者に守秘義務を負っています。
そのため、遺言者の推定相続人から、「お父さんの遺言の内容を教えてください!」という問い合わせがあっても、遺言の内容はおろか、遺言者が遺言を作成していること、それを弁護士が預かっていることすら教えません。

また、弁護士に遺言を預けておくと、後々、「やっぱり、内容を変えたい!」と思われた際、スムーズに更新作業に入れます。

弁護士以外の手段として、公証人役場で遺言を作成すると、以後の偽造防止のため、原本が役場で保管されます。

遺言の書き方や形式が話題になりがちですが、実は作成後の保管も大事なのです。

冒頭のミステリーに話を戻します。
遺言読み上げの後、たいてい遺族間でケンカが発生します。
そして、保管していた弁護士まで事件に巻き込まれてしまいます。
作り話とはいえ、哀れな役回りです。
posted by しんたろう at 00:00| 日記

2014年07月23日

あつい肉

さて、ひとこと。

近畿地方は梅雨が明けたそうです。
そのかわり連日の猛暑です。暑さで夏バテ等なさらないよう、お気を付け下さい。

突然ですが、裁判には「尋問」という手続きがあり、法廷で当事者や関係者へ質問して答えてもらいます。ドラマでも登場するシーンです。

尋問の中で発言された内容は証拠になります。
ただ、法廷内にカメラなどは設置されていません。そのため、尋問でのやり取りは機械で録音され、後日業者が文字に起こし、証拠にされています。

この機械録音とは別に、裁判所には「速記官」という職業の方がいます。
速記官は、実際に法廷で尋問を聴き、発言を素早く記録し、証拠化してくれます。

速記官は、尋問の場にいるので、途中でも、「今言われた”あつい肉”とは、ホットの”熱い肉”なのか、厚みある”厚い肉”なのか、どちらですか?」と確認してくれます。おかげで、尋問の内容が正確に証拠化されます。

対して、機械録音からの文字起こしで、実際は”豚まん持って”と発言されたのに、誤って”ブタ守って”と証拠化された例もあるそうです。

尋問で速記官は大活躍!!・・・なのですが、現在機械録音が多くなって、速記官の数はどんどん減っています。最も多かった時期から4分の1以下だそうです。大津地方裁判所でも現在は2名だけです。
人間による速記の良さをみて、養成が再開されればなと思います。

そういえば、”あつい肉”は、”暑い肉”も考えられますね。
posted by しんたろう at 00:00| 日記